不動産を借りる場合
不動産を取引する場合には、その終了までにいくつかの必要な項目があります。
安全に安心して取引するには、このガイドが必ず役に立つはずです。
1.希望する条件の整理と情報の収集をする
・希望する条件を羅列して整理しましょう。
・賃貸不動産情報は、新聞広告・情報誌・常設展示場・インタ-ネットなどを通じて収集されますが、まずは家賃などの相場を念頭に、毎月の賃料の支払額の限度を決めて、希望するエリア内の不動産業者の店頭を訪ね情報を収集するのがコツと言えるでしょう。というのも、地元の業者はエリア内の情報に精通しているからです。
2.賃貸借条件等を確認する
不動産の賃貸借をしようとする場合、物件の内容(賃料はもちろん、所在地、名称、面積、間取り、駐車場の有無、現況、所有者など)、物件の使用目的、賃貸借条件について確認することが必要です。
とりわけ、賃貸借条件は契約を決定する大きな要因の一つですのでしっかりと理解しておくことが大事です。
3.目的物件を見る
不動産を賃貸借する場合、特に借りる場合は買う場合と同様に不動産業者の説明と併せて、借主自らが現地へ行って確認することが大事です。
4.登記内容の確認をする
売買と同様に賃貸借のケースでも、物件について最新の登記された権利関係(所有権、抵当権など)を物件の所在地を管轄する登記所(法務局)の登記簿で確認するとともに、土地の地図(公図)を見ることができるので、道路や隣地との関係なども確認してください。
5.必要書類を提出する
不動産を借りる場合、貸主は借主が入居者基準に合致するかどうかを確認するため、以下の書類の提出を求めることがあります。
借主に関するもの
- 賃借申込書
- 住民票謄本(法人の場合は会社登記簿謄本)
- 入居者の住民票謄本(住居を社宅として借りる場合)
- 印鑑登録証明書
- 収入証明書
- 免許証や在学証明書などの身元証明書
連帯保証人に関するもの
- 印鑑登録証明書
6.重要事項説明を受ける
売買と同様に重要事項説明を聞いて内容をよく理解し、その説明書の交付を受けてください。
特に物件の各設備などの修繕費はだれが負担するのか、退去時の負担別はどうなるのかよく確認してください。
7.契約を結ぶ
契約はいったんこれを行いますと、取引は契約書の記載事項に従って進められ、紛争が生じたときも原則として契約書に基づいて解決されることになります。
また、賃貸借の場合はその関係は契約の終了まで続きますので、日常の使用に大きく影響するケ-スもあります。
契約書の交付を受けたときは、署名する前によく読んで意味の分からないことや納得のいかないことが書いてあったら、納得できるまで聞くなり調べるなりして十分に理解してから署名押印をしてください。
契約するときに気をつけること
契約書記載内容の確認
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物件の内容
契約時の現状(傷み具合など)を記録しておく。貸主又は管理者などに立合いをしてもらい、出来れば写真に撮っておく。 - 賃料、共益費などの支払方法および支払時期
- 敷金、礼金、保証金、権利金などの一時金に関する事項
- 使用上の禁止、制限事項
- 使用上の注意事項
- 契約の解除、解約に関する事項
- 修繕義務の内容
- 損害賠償の内容
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明渡しに伴う原状回復義務の内容
(明渡す場合、借主には契約時の原状に回復して返還する義務が生じますので、借主はどこまで負担しなければならないかを確認しておく。)
契約行為の注意点
- 原則として貸主、借主、保証人が出席して署名押印をおこなう。
- 契約内容については、仲介業者に読み上げなどを依頼して最終確認をする。
- 口約束はせずに必ず書面にする。
- 拇印署名だけでも契約書は有効であることに留意する。
8.仲介料を支払う
不動産の貸し借りにおいても、不動産業者が仲介または代理して成立したときには、不動産業者は報酬を請求することになります。
この報酬は宅地建物取引業法でその限度額が決められています。
- (1)賃貸借の仲介の場合
- 依頼者の双方(貸主及び借主)から受けることのできる報酬の額の合計額は、借賃の1ヶ月分以内となります。消費税は別途かかります。
- (2)賃貸借の代理の場合
- 依頼者から受けることのできる報酬の額は借賃の1ヶ月分以内となります。消費税は別途かかります。
- (3)賃貸借に際し権利金の授受がある場合
- 賃貸借に際して権利金(名義の如何を問わず権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないものをいいます。)の授受があるときは、依頼者から受ける報酬の額は、権利金の額を売買金額とみなして売買の場合の計算方法にて算出した額以内とすることができます。